今治タオルはなぜ有名?ほかのタオルとは何が違うの?
ほとんど毎日使うフェイスタオルやバスタオルは肌に直接触れることから、できれば使い心地や品質のよさにもこだわりたいところです。より高品質なタオルを求めている人の中には「今治タオル」を好んで使っていることが少なくありません。今回は今治タオルがなぜ有名なのかについて、ほかのタオルとの主な違いなどと一緒に解説します。
今治タオルとは
今治タオルとは、愛媛県今治市で製造されているタオルのことです。大阪府の「泉州タオル」、三重県の「おぼろタオル」と合わせて、日本三大タオルのひとつといわれています。今治市はタオルの一大産地として位置づけられており、実に100年以上の歴史を持っているほどです。
もっとも大きな特徴のひとつが「先晒し先染め」と呼ばれる製法が用いられていること。先晒しとは先に水で糸を晒し、綿が本来持っている柔らかさを充分に引き出す手法です。そして、先晒しに欠かせないのが良質な水です。霊峰石鎚山より流れ出た地下水、また、今治市内を流れる川の伏流水には不純物が少なく、硬度も低いのが特徴です。良質な天然水によって先晒しが行われ、綿が繊細で柔らかく、温かみを持った風合いに仕上がります。今治タオルの歴史は古いものの、1980年代後半には、よりリーズナブルな外国製のタオルの流入と、製造業者の海外移転の影響を受けました。2000年代にはタオルの生産量が、最盛期の5分1にまで低下したほどです。
しかし、その後2006年に経済産業省が行った「JAPANブランド育成支援事業」に採択されたことをきっかけに、今治タオルの価値や魅力を高め、世界に通用するブランドにしようという動きが加速化。前述したように、いまでは日本三大タオルのひとつとして、国内外から愛される製品となりました。
上質なタオルはここが違う!
タオルと一口にいっても、上質なタオルと普通品質のタオルとでは大きな違いがあります。
吸水性が優れている
タオルの本来の役割は、人間の体などに付着した水分を吸い取ること。たとえば、入浴やシャワーを済ませた後に、髪の毛や体に付いた水分をサッと拭き取れれば気持ちがよく、乾かす手間も省けるようになるでしょう。上質なタオルは普通品質のタオルと比べて、吸水性に優れています。とくに吸水性と関係しているのが、綿の質や厚み、製法などです。
肌ざわりがよい
タオルは肌に直接触れるものだからこそ、肌ざわりにもこだわりたいところ。ガサガサしておらず、肌にスムーズにフィットするタオルを使うと、気持ちもリラックスできるでしょう。肌ざわりに関しているのが綿の厚みや毛足の長さ、製法などで、上質なタオルは肌ざわりに優れています。
通気性が高い
通気性の高さは、タオル自体の乾きやすさと関係があります。ほとんどの人が入浴で毎日使うタオルは、使い終わってから洗濯をして、干すことでしょう。乾きにくいタオルは乾燥までに時間がかかるだけでなく、雑菌が繁殖したり、生乾きの嫌な臭いが発生したりしかねません。その点、上質なタオルは通気性が高く、洗濯した後も短時間で乾きます。
たくさん使っても縮まない
最後の違いは、たくさん使ってもタオルが縮まないことです。普通品質のタオルは何度も使ったり、洗濯したりしているうちに、少しずつ縮んだり、生地がへたったりすることもあるでしょう。反面、上質なタオルは何度使っても、縮んだりへたったりすることがありません。製造の段階で糸の織り方にこだわっており、生地自体が強く、しなやかさを持ち合わせているためです。
なぜ今治タオルは上質といわれるのか
たくさんあるタオルのなかでも、今治タオルがとくに上質といわれているのはなぜでしょうか?
理由のひとつが、吸水性の高さです。今治タオルは吸水性の高さを保つために「5秒ルール」と呼ばれる独自の厳しい品質基準を設けています。タオルの切れ端を水の上に浮かべて、5秒以内に沈むかどうかという内容です。5秒以内に水の中へ沈めば吸水性が優れていると判定され、合格となります。
また「洗わなくても、初めからしっかり吸水するかどうか」という基準も設けられており、今治タオルの上質さを示しています。さらに「肌ざわりのよさ」「洗濯しても毛羽立ちしにくく、耐久性に優れている」「徹底された品質管理」「製造に関わる一人ひとりによる、丁寧な仕事」なども、今治タオルの上質さを形作っているといえるでしょう。
まとめ
今治タオルは日本三大タオルのひとつとされており「先晒し先染め」と呼ばれる製法を用いていることが特徴です。国産の最高級タオルとして全国に名を連ね、各地の旅館や高級ホテルなどでも積極的に使われています。普通品質のタオルと比べて吸水性、肌ざわり、通気性などに優れ、一度使ったらほかのタオルに戻れないかもしれません。厳しい品質基準をクリアしているため、デリケートな肌を持つ赤ちゃんや小さい子どもにもぴったりです。普通品質のタオルより値段が張りますが、一度試してみてはいかがでしょうか。